柳津町の城館跡一覧 1. 柳津町の城館 『福島県の中世城館跡』や『柳津町誌』などに書かれていますが、他の地区同様に平坦地には、館があり、少し離れたところに、山城があるようです。しかし、充分な調査が実施されていないことから、未発見の城館跡も多数存在するようである。そのため、城館跡は30ヶ所以上存在すると考えられる。城館跡は、その集落の成立ちや歴史と密接な関係があり、姓名の由来につながるものが多い。 阿久津城跡 柳津小中学校の東、鳴神山にあり、南北282m、東西110mの大きさがあり、柳津町でも中心的な山城のようである。西側に大手虎口があり、平場が段々に築かれている。南側には3ヵ所の堀切で守られた要害である。緩やかな斜面には、竪土塁と竪堀で防御されている。大手虎口には、門があり、頂上の曲輪1には、建物や見張りの櫓が建てられ、柵が巡らされていた。16世紀前半から中頃に築かれた可能性が高い。 麻生城跡 麻生集落の西側山頂にある山城。南北300m、東西40mの大きさがある。急斜面の岩山に位置し、細長いのが特徴。南側とは、40mの堀切で防御される。その内側にき、尾根上に土塁と堀切が3ヶ所ある。南側の緩やかな斜面には、畝状の竪堀と竪土塁が築かれている。16世紀前半から中頃にかけて築かれた可能性が高い。二ヶ所の山城とも、ほぼ同じ時期に築かれたか、改修された山城跡で、横田の山ノ内氏が葦名盛氏家臣松本氏の支配地であった滝谷城跡を攻め、反対に盛氏に攻められ、葦名氏に服属する時期と重なるようである。遺構は、畝状竪堀や虎口が単純であることから、鉄砲が導入される以前の山城であるが、難攻不落であったことには変わりはない。
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